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〜 脇田雄太コラム 第10回 〜   「孤独死に備える各種保険について」

こんにちは!
ボロ物件投資家の脇田雄太です。

不動産投資を長年続けている中で、避けられないリスクと言えるのが

入居者さんの死

ではないでしょうか。

ひとくくりに入居者さんの死と言っても、老衰による自然死から、自殺、殺人事件に至るまで、さまざまなケースがあると思います。

実は先日、当社が管理する物件に入居していた、生活保護受給者のSさんと連絡が取れなくなりました。
警察に通報した上で、ドアを開錠して警官が室内に立ち入ったところ、Sさんは既に亡くなられていた状況でした。

その後、警察が親族を特定して連絡を取ったところ、親族の方はSさんの相続を拒否。
その結果、室内の原状回復費用約115万円は、オーナー側が負担することになったのです。
もちろん、オーナー側としては泣き寝入りを避けたいわけで、そこで強力な味方となるのが、

【火災保険の特約】
【家賃保証会社】
【短期少額保険】

の活用です。

今回は、その3つを解説したいと思います。

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特約を付帯しておこう!
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まず始めは、【火災保険の特約】について。

これは火災保険の契約時に、入居者の死亡に対応した特約を付帯することで、孤独死に対する補償が得られるものです。
この特約は各保険会社で名称が違い、

損保A社 「事故対応等家主費用特約」
損保B社 「家主費用特約」
損保C社 「家主費用補償特約」

といった感じで補償内容にも違いがあり、付帯の際は注意して下さい。
ちなみに、今回の孤独死では、

1. 残置物撤去
2. 特殊清掃
3. 原状回復の見積もり〜工事の手配

併せて115万円の原状回復費用が掛かりましたが、火災保険の特約によって100万円が支払われました。
今回の孤独死はワンルームタイプのため、火災保険の特約で原状回復費用の殆どをカバーする事が出来ましたが、残り15万円はオーナー負担になるのか?というと、次の一手があります。

【家賃保証会社】の活用ですね。
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家賃保証会社とは?
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家賃保証会社というと、一般的には入居者が家賃を滞納した場合に、滞納分の家賃を代理弁済し、入居者に督促してくれる
というイメージがあると思いますが、それ以外にも付帯出来る保証があります。
例えば、保証会社D社の場合は、「孤独死・行方不明に対応した保険付住居用プラン」
というものがあり、入居者の孤独死や行方不明が判明した場合、最大50万円まで補償してくれるんです。
ちなみに私が保有する物件では、入居時に必ず保証会社に加入していただくようにしていますので、もしもの際は家賃と原状回復費用のどちらも、保証会社にフォローしてもらえます。

というわけで、今回の不足分15万円は保証会社へ請求することで対応出来ました。よって、オーナー負担分はゼロになります。
一方、ワンルームタイプのような原状回復費用が安く済む物件ではなく、3LDKといったファミリー物件や戸建の場合はどうでしょうか?
大きめの物件では、孤独死などが発生するとその費用も高額になりますから、火災保険の特約+保証会社の補償総額150万円では、到底間に合わないケースもあるはず。
そんな時、最後の一手として頼りになるのが、

【短期少額保険】

なんですね。

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短期少額保険の仕組み
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賃貸のアパートやマンションに住まわれた経験のある方の中は、入居時に仲介会社や管理会社から
「家財保険に加入してください」
と言われた経験があるかと思います。
これは、損害保険会社各社や全管協の保険会社が提供している短期少額保険であり、保証会社と同様に入居者が加入することで、
もしもの際の費用を補償してくれるサービスです。

特に、全管協少額短期保険会社が提供している「安心保険プラスⅢスーパー」という短期少額保険では、
・個人賠償責任保険
・家財保険
・借家人賠償責任保険
・修理費用保険

がセットになっており、孤独死の遺品整理費用にも対応してくれます。
ちなみに、先ほど解説したように火災保険でも同様の特約は存在しますが、火災保険はオーナーが契約するのに対し、短期少額保険は入居者が契約するという点に違いがあるので、留意しておいて下さい。

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オーナーから要望を伝える
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さて、今回は孤独死に備える各種保険について解説しましたが、いかがだったでしょうか?
もちろん、世の中の一般的な賃貸契約において、そのような手厚い保険の加入が必ず履行されているのか?というと、その限りではありません。
例えば、仲介会社の営業マンが入居を決めやすくするために、

・初期費用が安く
・保証会社の審査が通りやすい

プランを選ぶ傾向が多く、もしもの場合に対応出来ないケースも少なくないです。
そういう意味で、オーナーが賃貸募集をかける際は仲介営業マンに対し、保証会社や短期少額保険のプランについて、
オーナーから要望を伝えておくことをお勧めします。

賃貸物件のオーナーである以上、入居者の死というリスクから逃れることは出来ません。
保険の加入など事前に対策をしておき、もしもの場合に備えておきたいものですね。

今回はこのへんで。

脇田雄太でした。

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