〜 脇田雄太コラム 第27回 〜 「ボロ物件投資は空き家問題の切り札?」
こんにちは!
ボロ物件投資家の脇田雄太です。
みなさんもご存じのように、地方の過疎や少子高齢化の影響で「全国で空き家が急増する」状況が続いています。
統計局の令和5年調査によると、全国の空き家総数は1993年からの30年間で、約2倍に増加しているとのこと。
https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/pdf/g_kekka.pdf
実際、私が長崎でボロ物件投資を始めた2008年頃に比べて、市内の各エリアで空き家が増えた印象があります。
地方の過疎化で空き家が増え、街が衰退してゆく…。
そんな切実な状況に、私たちボロ物件投資家が果たせる役割はあるのか?
今回は、そんなテーマで解説してみたいと思います。
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高齢化が進む地方の住宅街
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地方でボロ物件投資をやっていると、結構な確率で、住民が高齢者ばかりというエリアを見かけます。
例えば、昭和40〜50年代の高度成長期に造成、分譲されたニュータウンなどでは、同じ時期に建てられた戸建ばかりが立ち並ぶことも多いです。
当然、そこに住む住民も同世代の高齢者がほとんど。生まれ育った子供たちも進学や就職を機に都会に出てしまうことが多く、世代交代が進んでいません。
その結果、住民の高齢化が進み、人の数も減っていき、街の活気が徐々に失われていくという構図が、地方のいたるところで起こっているのです。
では、そんな高齢者ばかりの街に、若いファミリーが引っ越して来たらどうでしょうか?
結論を言ってしまうと、公園で親子がキャッチボールをし、子供たちの遊ぶ歓声が聞こえる以前のような状況が戻ってくることを、ご近所の方たちはたいてい喜んでくださいます。
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近隣住民に感謝される?
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私自身もそのような高齢化の進むエリアで、ボロ物件をリフォームして賃貸に出すことで、地元のみなさんから感謝された経験が何度もあります。
私たち大家も、誰も住まない空き家が減り、街に活気が戻るお手伝いができていると考えると、その仕事は地域貢献ともいえるわけで、やりがいや喜びにつながりますよね。
また、少し話は変わりますが、ボロ物件投資を円滑に進めるためには、近隣住民の方に理解を得ることが欠かせません。
近隣住民の反対を押し切り、マンション建設を強引に進めるような上から目線のアプローチが時々話題になりますが、あんなやり方では誰もハッピーになりませんよね。
そういう意味で、私や当社のスタッフはボロ物件を購入した後で、近隣住民の方へ挨拶に回ることを欠かさないようにしています。
逆の立場で考えたら、どこの誰かも分からない人間が隣の物件を買った上に、あいさつもなく勝手にリフォームを始めるというのはなんとなく、不安を感じるもの。だからこそ、小さな気遣いが大切になるんですね。
つまり、簡単な手土産を持参してあいさつ回りをすることは、ボロ物件投資を成功させるための小さくて大きな第一歩。
その下準備があるからこそ、後からそこにやってくる入居者が地域に受け入れられやすくなり、子供のいる若いファミリーならなおさら、というわけです。
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儲けと地域貢献を両立する
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さて、今日のコラムはいかがだったでしょうか?
高齢化が今後より一層進む地方において、地域貢献につながるボロ物件投資の意義は今後、さらに大きな意味を持つことになると思われます。
しかし、同時に忘れてはいけないのが、ボロ物件投資本来の目標は、お金を長期安定的に稼ぐことだということ。
つまり、私たち投資家は、地方の空き家問題解決に取り組んでいるわけでなく、「儲かる投資を実践したら地域貢献に繋がった」、というスタンスが理想的といえるでしょう。
いくら住民の方に感謝されたとしても、賃貸需要のないエリアや、莫大な修繕コストがかさむ物件を買うわけにはいきませんから、そこはブレないようにしてください。
とはいえ…ボロボロだった空き家がキレイにリフォームされ、街に若い世代のファミリーが増えることは、住民の高齢化と空き家の増加に悩む地域の人々にとって、歓迎されることは間違いありません。
近隣住民、入居者、大家の誰もが笑顔になれる「三方良し」の投資を広めるべく、私も引き続きボロ物件投資の普及に努めたいと思います。
今回はこのへんで。
脇田雄太でした。



