〜 脇田雄太コラム 第19回 〜 「事故物件は買わないほうが良い?」
こんにちは!
ボロ物件投資家の脇田雄太です。
数多くの物件を見ていると、一定の割合でいわゆる事故物件というものに遭遇します。
・孤独死や自殺などの事故
・殺人や放火などの事件
例えばこのような物件があった場合、その物件は「心理的瑕疵あり」として扱われ、次の買主や入居者に対して告知する義務が生じるんですね。
こういった物件を見つけた時、
「安いから気になるけど、入居付けは大丈夫?」
「先輩の大家さんたちは、心理的瑕疵のある物件をどう扱っているの?」
と疑問に思う人は多いのではないでしょうか。
実は私自身は、そのような事故物件もプラス要素がマイナス要素を上回るのであれば、買って構わないと考えています。
今回はそんな事故物件購入の是非について、私なりに解説したいと思います。
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昔の人は自宅で亡くなっていた
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私自身、長年のボロ物件投資歴において、数多くの事故物件を取得してきました。
とはいえ、その多くはその家に住んでいたお年寄りが病死したというケースばかり。
そもそも、病死レベルが果たして事故物件なのか?というと、私にはそう思えません。というのも、現在は多くの高齢者が病院や介護施設などで亡くなるのに対し、昭和時代の昔では、「自宅で息を引き取る」ことが当たり前だったはず。
自宅で最期を看取り、自宅でお葬式を上げ、自宅の仏壇に骨壷を置く。
たとえそれが孤独死だったとしても、自宅で天寿を全うすることが事故なのか?というと、大いに疑問に感じるのです。
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プラス要素が上回ればOK
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そういう意味で私は、孤独死レベルの事故物件に関して、
・相場より大幅に安い
・建物の状態が良好
・立地がとても良い
といった、プラス要素がマイナス要素を上回るようであれば、躊躇なく購入しています。
私の経験上、それ相応の低家賃で募集を掛けて、入居希望者さんにもきちんと告知を行えば、入居後にトラブルになることはありません。
たとえ賃料が相場より低くなっても、その分、物件を安く購入していますし、ボロ物件は元来が高利回りですから特に問題はないんですね。
時には、死後から長期間経過した結果、匂いやシミ汚れが付いてしまったような物件もありますが、ボロ物件はそもそもリフォームが前提ですから、どのみちキレイになります。
そういう意味で、ひとくくりに事故物件だからと毛嫌いすることなく、内容を精査し、買って良い物件であれば、どんどん買って構わないと私は考えています。
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敢えて手を出す必要はない?
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さて、そんな事故物件を複数保有or管理している脇田ですが、
・自殺
・殺人
などの重い心理的瑕疵については、物件購入を見送るケースがほとんどです。
なぜなら、それらの大きなマイナス要素を上回るほどのプラス要素が、それらの物件には見出せないからです。
物件を解体して更地で売った時に、解体費を差し引いても「十分な儲けが出る」ような、資産価値の高い土地であれば検討しなくもないですが、そういう物件は滅多にありません。あったとしても、ボロ物件投資家にそういった情報が届くことは多くないでしょう。
また、重大な事件や事故があった物件は、近隣の住民に知れ渡るだけでなく、ニュースなどでも報道されますから、やはり客付けに影響は出ると思います。
このような理由から、これまで、そういった物件は見送ってきました。
あえてそういった物件を選ばなくても投資に見合う物件は買えるので、今後もこういった物件を買う可能性は低いと思います。
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物件の目利きを養おう!
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さて、今回のコラムはいかがだったでしょうか?
完璧な人間がこの世に存在しないのと同様、投資的に完璧な物件もこの世には存在しません。
どんな物件にも何がしかの欠点はあります。都心のピカピカの新築物件を選べば、様々なリスクを減らせますが、価格は一気に上がり、利回りは大きく低下します。
それが市場原理です。
そういう意味で、私たちボロ物件投資家は事故物件に限らず、「買って良い物件とそうでない物件を見極める」「自分の目的に叶った投資物件を選ぶ」といった目利き力を養うことが重要です。
マイナス要素があったとしても、それを上回るプラス要素があるかどうか?
あるいは、価格交渉などでプラスに持ち込むことが出来るか?
その辺にフォーカスし、物件購入の是非を判断して下さい。
今回はこのへんで。
脇田雄太でした。